リップルネットワークは完成形に近づきつつある

<2016.09.30更新>

さて、今回はリップルネットワークについて考えたいと思います。なぜそう私が思うかというとリップルネットワークに近々PaymentChannelとSusPayが実装されるからです。これらの機能が実装された段階でリップルネットワークは一つの節目を迎えます。

そこでまずはペイメントチャネルの説明をしていきたいとおもいます。SusPayに関しては下記で簡単に説明しておりますので、そちらを参照して下さい。

PaymentChannelとは、近々リップルネットワークに実装される予定の機能です。名前は少し違いますが、ビットコインのライトニングネットワークやマイクロペイメントチャネルと言われている機能と基本的な仕組みは同じです。一言で説明すると、「チャネルを開いた特定の相手とは、送金手数料は無料で、1秒あたりの送金回数に制限がなく送金し放題」な機能です。どうしてこんなことが可能なのでしょうか。その秘密はリップルネットワークの台帳(Ledger)に毎回取引を記録するのではなく、送金を台帳の外(オフレジャー)で取引を行ってしまおうという考え方にあります。台帳の外であれば、Ledgerの生成速度(リップルネットワークの場合、5秒程度)に依存せず、高速に取引を行う事ができます。でも「台帳の外で取引をすると不正し放題だろ!」というツッコミが来そうですが、そんなことはないです。それは、リップルネットワークに実装されたMultiSign機能を使うからです。これもビットコインにマルチシグネチャ(MofN)という似た機能がありますが、実際はRippleのMultiSignではもう少し柔軟なことが出来るようです。ここでは詳細な機能を理解する必要はなく、ただ下記の機能を有してると思って下さい。一言でいうと「お金を動かすのに複数の人の署名が必要になるアドレス(ウォレット)を作る機能」です。

  • 複数の署名によって送金できるようになるマルチシグネチャについての技術的解説です
  • 例えば「3つのうち2つの秘密鍵があると送金できる」ということができるようになります
    • つまり、N人のうちM人の人が署名をしたら、ビットコインを送ることができる、ことができる

引用元:qiita.com

ではなぜ、MultiSign機能を使うと、オフレジャーで取引が出来るのでしょうか。

リップルネットワーク上に存在するAさんからBさんへ送金する1対1のペイメントチャネルを想定した例で順を追って説明していきます。また、分かりやすくするためにtransaction(取引)を契約書に例えます。

  1. まずはMultiSignを使ってAさんとBさんの両方の署名がないと送金できない期限付きの共同ウォレットを作ります。これはリップルネットワーク上の台帳に記録されます。(ここで手数料発生)
  2. 次にAさんはその共同アドレスに例えば10000XRPを入金しておきます。そのXRPの範囲内でBさんに送金することになります。またこの時に万が一Bさんが音信不通になった場合に共同ウォレットからお金を取り戻せるように返金の契約書をAさんはBさんから貰っておきます。この契約書にはBさんがあらかじめ署名しておきます。
  3. 送金する場合は、AさんからBさんへ送金の契約書を作成し、Aさんが署名してBさんに渡す。しかし、この時に契約書はリップルネットワークには提出しません、そのため、台帳に取引が記録されることはなく、手数料も発生しません。
  4. AさんからBさんへ送金が支払いが行われるたびに、契約書の送金額を更新し、署名済みの契約書をBさんに渡しておきます。しかし、これもリップルネットワークには提出しないため、手数料はかかりません。AさんとBさんの間で合意が取れていればOKです。
  5. 送金が終了したり期限が来たら、Aさんは最終的な送金総額の契約書をBさんに渡し、Bさんは自分の署名をしてリップルネットワークに提出します。この時初めてリップルネットワークの台帳上で、AさんからBさんへの支払いが確定されます。(ここで手数料発生)

これらはAさんはBさんへ「ツケでお金を払っているようなもの」です。これだとAさんが逃げたらBさんが損するんじゃないのと思う方も居ると思います。しかし、Bさんは送金される度にAさんの署名入りの契約書を持っているので、これをリップルネットワークに提出することで、いつでも送金を確定することができます。そして、送金のほとんどはオフレジャーで実行される(AさんとBさんが直接やり取りする)だけなので、リップルネットワークの性能に関係なく高速で送金手数料は無料で可能になるのです。

以上から、ペイメントチャネルは、手数料はほぼゼロで1秒あたりの送金回数に制限がなく送金し放題となります。ここまでがペイメントチャネルの説明です。

やっと本題ですが、なぜペイメントチャネルとSuspayがRippleネットワークを完成形に近づくのでしょうか。答えはRipple inc.の公式HPにあります。

image

引用元:ripple.com

上記のRippleネットワークの主要な機能の中で、「近日公開」となっている機能が3つほどあるのがお分かり頂けるでしょうか。

  1. 無限の取引処理能力
  2. それぞれの金融機関の取引のプライバシーは完全に保護されます
  3. 異なるネットワークの銀行が直接取引出来ます

察しのいい方はすでにお気づきかと思いますが、PaymentChannelとSuspayが実装されれば、上記3つの機能がリップルネットワークに実装されることになります。

まず1.と2.に関しては、ペイメントチャネルは台帳外でほとんどの取引を行います。つまり、当事者同士のマシンリソースとネットワーク速度次第で無限の取引処理能力を得ることが出来ます。また、送金はオフレジャーで行われるためリップルネットワークの台帳には送金の合計金額しか記録されません。つまり、金融機関の取引の詳細は秘匿され、プライバシーを保護することが可能になります。

そして、SusPayは異なるLedger同士の送金を安全に行う機能のため、異なるネットワークの銀行が直接取引することも可能になるかと思います。

つまり、リップル社が当初から掲げていたリップルネットワークの機能実装がそろそろ完了することを意味しています。もちろんリップルネットワークの進化が止まるわけではないですが、一つの節目を迎えるというのは確かです。

今後はさらにリップルネットワークの商用利用が進む可能性は高いと思います。

名もない猫

2014年頃からXRPとRippleを追っています。Ripple社が掲げる価値インターネットの未来に強く共感し、動向をウォッチしている。ただ、飽きっぽい性格をしているので、このブログはいつ消えてもおかしくない。
宜しければ仲良くしてやって下さいm(_ _)m
Twitterは引退しました。理由はTwitterが楽しくて無限に時間を取られてしまうため。

2件のコメント

  1. なるほど! リップル社は ILP と Rippleネットワークの連携の仕組みに関して情報を出し惜しみしている感があり、私を含めて多くのユーザーが疑問を持っています。前回のSusPayと今回の PaymentChannel の説明で大半の疑問が払拭されました。過去に gatewayd と RCL が一体となって Ripple というシステムを構成していたことから、それが ILP のコネクターに置き換わったところで根本的な考え方と方向性は同じなのだということが再確認できました。これからも有益な情報提供をよろしくお願いします。 ^^

    1. コメントありがとうございます。
      確かにRipple Inc.から出てくる情報はあまり多くない印象です。
      ですので、私の記事も推測がしてる部分も多いので合ってるか自信はないです><。

      GiantGoxさんをはじめとする、リップラーのみなさんの助けになればと思います。

      次は何を書こうかな。。。

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